【第2回】ランダム和訳演習講座

ランダム和訳演習講座
まこちょ
まこちょ

●みなさんこんにちは、まこちょです。本日は第2回和訳講座の解説になります。相変わらず一見しただけではよく分からない英文が並んでおりますが、みなさまのこれまでの英語力を総動員して「完全訳」を仕上げてみてくださいね!

 

いぬ
いぬ

最後にはワンコイン講座のお知らせがあるよ!

第2回ランダム和訳テキスト

第2回ランダム和訳テキスト

ランダム和訳課題①

【問1】 A mere glimpse at even some of her features – her silhouette, her eyes, perhaps just her hands – brings instant recognition even to those who have no passion for painting.    [学習院大学]

【単語・表現】
glimpse「ちらっと見えること」
features
「顔立ち,容貌」
silhouette「輪郭」
recognition「見てそれとわかること」

 

【解説】

まこちょ
まこちょ

この英文は英文全体の構文の難易度というよりも、日本文にはない英語独特の文章表現が和訳を難しくしています。今回はこの「無生物主語」構文についてじっくり考えてみましょう!

攻略①全体の英文構造を把握する

A mere glimpse at even some of her features – her silhouette,…
「英文の主語(S)と動詞(V)が即座に分かる」というのは英文解釈の第一歩。もちろんなんとなくではなく、しっかりとルールにしたがって主語(S)と動詞(V)を見つけていくのがセオリーです。
まぁ、ルールとはいってもその法則は極めてシンプル。以下のポイントを押さえておけば良いだけです。
英文の主語(S)と動詞(V)の見つけ方
①主語(S) → 英文に最初に出てきた前置詞のついていない名詞
②動詞(V) → 主語(S)の後ろにあるのが基本
このルールのいいところは、慣れてきたら特に意識しなくてもリーディングで重宝する点です。今回もいきなりA mere glimpseが「前置詞」のついていない最初に出てきた名詞ですから、これを主語(S)と考えて英文を読み進めていくのが基本となります。
 A mere glimpse(S) at even some of her features – her silhouette, her eyes, perhaps just her hands – brings…
【参考記事】
もちろん主語(S)が特定できれば動詞(V)を探していくことになりますが、主語(S)と動詞(V)の間に修飾語句(M)がつくなんて英文ではザラなわけです。今回も「前置詞+名詞」の修飾語句が2つもありますが、粘り強く読んでいって

A mere glimpse(S)

 

(at even some of her features)

 

brings(V)
動詞bringsを発見していきましょう。
ただこの英文はそれ以外に主語(S)と動詞(V)の間を長くしている要因がありますね。それが「ー(ダッシュ)」の存在です。

攻略②「ダッシュ」は前の文のよく分からない箇所を補う

「ー (ダッシュ)」の使い方はいろいろあるのですが、代表的な使い方は【前の箇所のよく分からない箇所を補う】時によく用いられます。
つまり、ダッシュの後ろは「具体的な説明」になるんですね。
There are four people in my family – my mother and father, my brother and me.
「私の家族は4人家族だ。母と父、そして兄と私だ」
この英文はfour peopleの内訳を、ダッシュを使って具体的に説明しています。
今回の英文もよく見ると、単語の意味が分かっても今一つ抽象的で具体性がない名詞があることが分かるでしょうか。
A mere glimpse at even some of her featuresher silhouette, her eyes, perhaps just her hands
彼女の特徴の一部-輪郭や目,それにおそらく両手
そう、featuresは「特徴」ですが、今一つ具体性がありません。そこでダッシュを使って具体的にどのような特徴なのか説明を入れているんですね。

攻略③無生物主語構文を華麗に訳してみる

さてここでもう一度全体文を確認してみましょう。ただしダッシュで挟まれた部分は省略します。
A mere glimpse(S) at even some of her features… brings(V) instant recognition(O) (even to those who have no passion for painting).  
この英文のように主語(S)が「無生物」の場合、少々訳し方にコツがいります。
というのも私たちの母国語である日本語は【無生物】が主語になることを前提で作られている言語ではありませんので、どうしてもそのまま直訳調で訳すと違和感を感じる和訳になってしまうからですね。例えば
The rain prevented us from going out.
●prevent A from ~ing「Aが~するのを妨げる」
この英文ですがThe rainは無生物主語(S)です。よくある英文の形ですが、この英文を直訳すると
直訳
「雨は、私たちが外出するのを妨げた」
となり、通常の日本語ではあまり言わない表現になってしまうのです(最近ではエッセイや映画的な手法でこのような表現もずいぶん浸透してきました)。
こういった英文を「無生物主語構文」といって、訳し方を工夫すると見違えるように日本語っぽいこなれた和訳になりますので以下のポイントを押さえておきましょう。
【無生物主語構文の訳し方】
① 主語(S)を副詞的に訳す(~で、~のせいで、~のために)など
目的語(O)を主語にして訳す
例えば上記の英文では
The rain prevented us from going out.
「雨は、私たちが外出するのを妨げた」
「雨のせいで、私たちは外出できなかった」
とするとはるかに日本語っぽい訳出が可能になるんですね。
無生物主語構文の例文を数多くあたりたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
このポイントを押さえて今回の英文を和訳すると
A mere glimpse(S) at even some of her features… brings(V) instant recognition(O) (even to those who have no passion for painting).  
直訳:「彼女の特徴の一部をチラッと見ることは,絵画を愛好していない人に対してさえも即座の認識をもたらすのである」
意訳:「彼女の特徴の一部をチラッと見ただけで,絵画を愛好していない人でも,たちまち彼女がだれなのかわかってしまうのである。
recognitionとは「AをAと分かる(認識する)」という意味。ここではもちろん「彼女を彼女と分かる」ということなので意訳にて工夫しています。
【参考記事】
また、前回(第1回)にご紹介した「名詞構文」の知識も使っています。
brings instant recognitionの部分を「即座の認識をもたらす」と訳出してはあまりにも固い(笑)しそのような日本語を日常で使うかどうか?と考えてしまいますね。
ここはinstant recognition(形容詞+名詞)の部分を動詞+副詞と考えて
brings instant recognition
recognize (her) instantly
「すぐに(彼女を彼女と)分かる」
というニュアンスに変形して訳出しています。こういうとき名詞構文というのは便利ですね。
【参考記事】
【和訳例】彼女の特徴の一部-輪郭や目,それにおそらく両手-でもチラッと見ただけで,絵画を愛好していない人でもたちまち彼女がだれなのかわかってしまうのである。
まこちょ
まこちょ

ね?「和訳は総力戦」という言葉は嘘じゃないでしょ?(笑)

ランダム和訳課題②

【問2】 Readers often seem eager to produce their own meanings out of their encounters with poems, meanings which, however reasonable or satisfying they are to the readers themselves, may not have been intended by the poet and may not be shared by other readers.   [京都大学]

 【単語・表現】
encounter「出会い,遭遇」
be eager to V 「Vしがちである」

 

【解説】

まこちょ
まこちょ

さて、どうでしょうか。これで1文ですからね。
このようなピリオドまでが遠い英文を和訳する場合に、全体の英文量が当然多くなりますから、和訳を上手くまとめられないといった悩みが多くなりますね。
こういうときこそ、しっかりと構造を把握して和訳がぶれないように対応することが重要ですよ!

 

攻略①:文の途中のmeaningsの役割は?

 Readers often seem eager to produce their own meanings out of their encounters with poems, meanings
前半の英文はそれほど難解な英文ではないかと。seem eager to V「Vしがちなようである」out of their encounters with poems「詩との出会いから」になります。
Readers(S)
often seem eager to produce(V)
their own meanings(O)
(out of their encounters) (with poems),
読者はよく詩との出会いから自分だけの意味を生み出したがるものだ」
この英文の大事なところは、SVOの第3文型を取っている点。produceはSVOの文型を取りますので当然後ろはtheir own meaningsと名詞が続くのも納得です。
したがってこれ以降はどこまで行っても修飾語句(現に上記の青い箇所は「前置詞+名詞」で修飾語句(M)が続いていますよね)が続くわけです。
間違っても前置詞のついていない名詞なんて出てこないはずなんですね。
ところが「,」の後ろには前置詞のついていない名詞meaningsが。何度も言いますが今回の英文ではSVOの文型ですので、文型が決まっている今、この後に名詞が出てくるわけはありません。
英文中に出てくる名詞というのは必ず「役割」が与えられます。
●英文中の名詞
⇒ S / O / C / 前置詞のOのどれかになる。
【参考記事】
たとえばmeanings を強引に今回の文型に組み込んでみましょうか。つまりこのように考えるということです(英文中の余計な箇所を取って分かりやすくしますね)。
 Readers(S) seem eager to produce(V) their own meanings(O), meanings(OまたはC)
このような解釈ができないのはproduceはSVもしくはSVOの文型しか取らないのが一番ですが、そもそもmeaningsの前の「,(カンマ)」が謎です。
ちなみにmeaningsを主語(S)として考えてみましょうか。
Readers(S) seem eager to produce(V) their own meanings(O), meanings(S)
この解釈も無理があります。meaningsの部分を新たな(S)としてとらえるということは、当然その後に動詞(V)が続くということになりますが、
S + V + C, meanings(S) + (V)…..
そうするとこの英文には2つのS+Vが出てくることになりますが、文(S+V)を繋ぐには接続詞が必要です。まちがってもカンマ(,)でつなぐことは出来ないんですね。
以上の点からこのmeaningsはS / O / C にはなれないことが明白です。
このように一見「役割」がなさそうに見えるこのような名詞を、通称「役割のない名詞(そのままですが(笑)」といってしっかりと対処法が確立しているんですね。
●役割のない名詞
①前の名詞と「同格」
②前の名詞の具体的な説明を入れる
つまり今回の英文は、their own meanings「自分だけの意味」が今一つ具体性がないので、もう一度meaningsについての具体的な説明を入れているのです。
…their own meanings… , =meanings
「自分だけの意味、(つまり)…な意味
このように「役割のない名詞」については英文中によく登場します。以下の参考記事に例文を交えて詳細な説明があるので、ぜひ一読を!
Readers often seem eager to produce their own meanings out of their encounters with poems, meanings
読者はよく,詩との出会いから自分だけの意味、すなわち…な意味を生み出したがるものだ」

攻略②:関係詞節が長くなったとき

… meanings which, however reasonable or satisfying they are to the readers themselves, may not have been intended by the poet and may not be shared by other readers. 

さて、meanings「意味」について、これから具体的に「【どのような】意味」なのか説明が入ります。後ろにwhichが見えますので、どうやら関係代名詞節でmeaningsについてどっぷり語ってくれそうですね。

 

… meanings ← [which ]

 

ところがですね、この箇所なのですが、一見して関係詞which以下が長そうですよね。カンマで挟まれている箇所(挿入といいます)を外して考えたとしても

 

… meanings ← [which , … ,may not have been intended by the poet and may not be shared by other readers].

 

これですから。この部分をいくら先行詞がmeaningsだからといって

 

Readers often seem eager to produce their own meanings out of their encounters with poems, meanings  [which…]

読者はよく,詩との出会いから自分だけの意味、すなわち……………………………………………..な意味を生み出したがるものだ」

 

と訳出してしまったら、最初のmeaningsと同格のmeaningsの間が離れてしまい、非常に読みにくい和訳文が出来上がってしまいます。

 

そこでちょっと工夫しましょう。このように長い関係代名詞節などが後ろに続く場合、いっそのことmeaningsの手前のカンマまで訳出してしまうのです。つまり

 

Readers often seem eager to produce their own meanings out of their encounters with poems, / meanings

読者はよく詩との出会いから自分だけの意味を生み出したがるものだ」

 

そしてmeanings which以下ですが、whichの先行詞はmeanings、つまりmeanings = whichなので、このwhichをmeaningsに置き換えて

 

/ meanings whichmay not have been intended by the poet…

/ meanings(S) may not have been intended(V) by the poet…

「(その)意味は詩人が意図したものではなかったかもしれないし,他の読者には分かち合ってもらえないものかもしれないのだ」

 

と、まるで2つ目の文が続くかのように和訳してしまうのです。

 

そうするとこの英文は関係詞whichをはさんで2つの文を訳出したことになるのですが、ちょっと並べてみましょう。

 

●途中訳

読者はよく詩との出会いから自分だけの意味を生み出したがるものだ。(その)意味は詩人が意図したものではなかったかもしれないし,他の読者には分かち合ってもらえないものかもしれないのだ

 

さてみなさん、この2つの和訳ですが意味の関係をしっかり押さえましょう。そうすると、どうやらこの英文を書いた作者の方は、上記の青い部分から察するに「自分だけの意味を生み出す」という行為にそれほど良いイメージを持っていないことが分かるでしょうか。

 

したがってこの2つの文の論理関係をあいまいなものにしないように接続詞的な意味をwhichに込めればよいのです。ここではbutと同じ意味合いを入れるとちょうどよいかと。

 

【修正訳】
読者はよく詩との出会いから自分だけの意味を生み出したがるものだが,その意味は詩人が意図したものではないかもしれないし,他の読者には分かち合ってもらえないものかもしれないのだ」

 

may not have 過去分詞は「~だったかもしれない」という過去推量表現、and以下のmay not be sharedとの訳出の違いに要注意!intendは「~を意図する」です。

 

まこちょ
まこちょ

まこちょのちょっといい話

●前から訳すのは「, 関係詞(継続用法)」のときだけ?

よく関係詞節を前から訳すのは、関係詞節の前に「,(カンマ)」がついた時だけ、と考えている方がいますが、実はカンマがなくても必要に応じて「前」から訳せることは覚えておきましょう。

 

【参考記事】
関係詞を「前」から訳すテクニック

攻略③:howeverの訳し方

…, however reasonable or satisfying they are to the readers themselves,…

さて、最後にhoweverの和訳方法について解説しましょう。

howeverは用法が多彩で身につけるのが大変ですが、howeverの後ろに「,(カンマ)」がない」ので副詞ではなく副詞節を作るhoweverということを押さえるのは容易だと思われます。

 

副詞節を作るhoweverの訳し方は2種類。「どれほど~だとしても」か「どのように~としても」となります。

 

今回はhoweverの後ろに reasonable or satisfying(形)がありますので「どれほど~だとしても」と訳出していくと良いでしょう。

 

ちなみにhoweverの後ろの形容詞は、もともと動詞(V)の後ろで補語(C)として使われていたことも何気に重要です。したがって

 

however reasonable or satisfying(C) they(S) are(V) to the readers …

they(S) are(V) reasonable or satisfying(C) to the readers…


訳出
「その意味は,その読者自身にとってはいかに筋の通ったもの,満足のいくものであったとしても」

 

と文型を押さえられれば難なく訳出ができるのでは?

【参考記事】
howeverの訳し方について

 

なおカンマで挟まれた「副詞(句・節)」は主節の動詞を修飾することも何気に押さえてくださいね!

【参考記事】
挿入の処理方法について

 

【和訳例】読者はよく,詩との出会いから自分だけの意味を生み出したがるものだが,その意味は,その読者自身にとってはいかに筋の通った[納得のいく]もの,満足のいくものであったとしても, 詩人が意図したものではないかもしれないし,他の読者には分かち合ってもらえないものかもしれないのだ.

※「まこちょのワンコイン講座シリーズ」

さて、以上が第2回ランダム和訳演習講座の内容になりますが、いかがでしたでしょうか。

 

何度もいいますが「和訳は総力戦」。みなさんの英語力を母国語日本語で考えることができる非常に良いトレーニング方法といって良いでしょう。

 

1回の講座につき2つの長文をごまかさずに丁寧に解釈していきます。計50回の講義で完全な英文法運用能力を養っていきます。ごまかさずにしっかりと実力を養成するのにうってつけの講座になるかと。

 

特に以下に該当する方は非常に強力な武器になってくれるでしょう。

① 大学入試の国公立2次試験で和訳を課せられる受験生
② 大学院入試を控えている方
③ 英文法を一通り身につけたが使い方が今一つ分からない人
④ 大人のやり直し英語を丁寧に実践している方
⑤ 英語力に自信を持っている方の更なる自己啓発用

 

この講座は動画がありません(途中で5分程度のティーブレイクと称して私がショート動画で登場するときがごくまれにありますが)ので、当然コストも非常に押さえたものになっています。

 

全50回講座で合計金額が22,000円(税込)。月4回予定ですので、1カ月の費用は2,000円。つまり1回の講座は500円(ワンコイン)と、とんでもなく破格な料金設定になっています。

 

●まこちょのランダム和訳演習講座【全50回】(ワンコインシリーズ)

①回数:全50回講座
②頻度:4回/月(予定)
③料金:22,000円(税込)
(内訳:2,000円/月 ⇒ 1回 / 500円(ワンコイン)
④質問事項:メールにて随時受付

 

 

まこちょのランダム和訳演習講座【全50回】申込フォーム

 

もちろんクオリティはこの第1.2回講座と全く同じ。この内容で私の和訳指導の全てを盛り込みます。

 

ご興味のある方はぜひ以下の申し込みフォームよりご連絡ください。

↓↓↓

まこちょのランダム和訳演習講座【全50回】申込フォーム

もしくは以下のメルアドからご連絡していただけると幸いです。

makocho0828@gmail.com

 

長々と申し訳ありませんでした。英語力のパワーアップを狙っている方、ぜひ私と熱い(?)火花を散らそうじゃありませんか。

よろしくお願い申し上げます。

 

オンライン英語塾まこちょ

タイトルとURLをコピーしました