テーマ別和訳演習講座②(省略)

テーマ別和訳演習講座

 

●みなさんこんにちは、まこちょです。お元気でいらっしゃいますか?(^^)/

前回より「省略と共通構文」についての和訳問題について解説がスタートしましたが、この「省略と共通構文」、なかなか奥が深い箇所です。

 

しかも英文リーディングにおいて誤読をしがちな要素がふんだんに盛り込まれていますので、しっかりと理解しないと後々困る部分でもあります。

 

それゆえにぜひ!この「省略と共通構文」をマスターしていただきたいです。頑張っていきましょう(^^)/

テーマ別②課題英文テキスト

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テーマ別和訳②テキスト

課題文①

【問1】When asked to write about being a physically-handicapped Asian American woman, I considered it an insult. After all, my accomplishments are many, yet I was not asked to write about them.

[単語・表現]
physically-handicapped「身体に障害を持つ」
insult「侮辱」
accomplishment「業績」

 

課題文①解説

When asked to write about…

いきなり今回のテーマが炸裂ですね(笑)Whenは接続詞ですので後ろにいきなり動詞askedが始まることはありません。接続詞の後ろは主語(S)と動詞(V)がくるのが基本です。

 

そう、このaskedは過去形のように見えますが、実は過去分詞なんですね。主語(S)と動詞(be動詞)が省略されているのです。

 

接続詞のうしろの主語(S)とbe動詞が省略させるのは、主節の主語と同じ場合、つまりこの部分は

 

When (I) (was) asked to …, I(S) considered(V)~.

 

ということが分かります。訳は「~について書くように頼まれたとき」

 

…about being a physically-handicapped Asian American woman

この部分は正直いって気をつけましょう。この部分ですが、もしbeingがなかったら

 

about a physically-handicapped Asian American woman
「身体に障害を持つアジア系アメリカ女性について(書くように…)」

 

となります。【誰でもいいから】身体に障害を持つアジア系アメリカ女性」という意味ですよね。

 

ところがbeingをつけるとこのbeingは前置詞aboutの後ろにあるわけですから「動名詞のbeing」であることが分かり、しかも~ingの前に「意味上の主語」がついていないということは…?

 

そう、beingの意味上の主語は、節の主語(S)と同じ「I」とわかるのです。動名詞の意味上の主語は主節の主語と同じ場合は【書いてはいけない】というのは非常に重要な文法ルールですね。

 

動名詞の意味上の主語について、上記のルールは全く知らなかった!という方はお手数ですが以下の記事を熟読してみてください。

【参考記事】
「動名詞の意味上の主語はこう表現する!主語がないときの理由とは?」

「【基本】動名詞の用法と意味上の主語の訳し方について徹底解説します」

 

つまりこの箇所は

about (my) being a physically-handicapped Asian American woman

 

であり、もともとは

 

I am a physically-handicapped Asian American woman

 

が動名詞句化したものであることが分かります。

 

be動詞はSVCの第2文型を取り「S=C」の関係になるという英文法ルールを使うと

 

Ia physically-handicapped Asian American woman
「私身体に障害を持つアジア系アメリカ女性(であること)」

 

と、この「I」が身体障害をもつ女性だと分かるのでした(^_-)-☆beingがあるとないとではえらい違いですな。ここまでで

 

訳「身体に障害を持つアジア系アメリカ女性【である】ことについて書くように頼まれたとき」

 

after allは要注意

After all, my accomplishments are…

after allを見ると、なんでも「結局」という訳語を使いたがる方が多いのですが、実はafter allは様々な意味があり、しかも【場所によって】訳し方が変わります(/ω\)

 

【after all】
①文頭で → 「そもそも・なんといっても・とにかく」
②文末 → 「やはり・結局」

 

今回は文頭ですので「そもそも、とにかく」の訳語を使うとよいでしょう。after allの表現を侮らないように!以下の記事で確認してみよう

【参考記事】
「at last、finally、after allの違いとは?「とうとう」の英語表現を完全に極める!」

 

yetの2種類の使い方

今回の課題英文はポイントがてんこ盛り(笑)まだまだ続くんです。例えばyetの処理は上手くいったでしょうか?

yetは副詞と接続詞の2種類があることに注目しましょう。

 

【yet】
①副詞
→ 現在完了形の疑問文・否定文で「もう・まだ」
②接続詞
→ butと同じ「しかし」

 

この箇所は

my accomplishments(S) are(V)many, yet I(S) was(V) not asked…

 

と文頭から文末までyetを挟んで英文が2つ続いているのが分かるでしょうか。

英文と英文を繋げるのは「接続詞」の役目。まちがっても「副詞」では2つの英文を繋げることはできないのです。

そう、このyetは「副詞」ではなく「接続詞」として使われているのだ、ということが分かることが重要です。接続詞のyetはbutと同じ使い方ができて「しかし」と訳します。したがってこの箇所の訳は

「私の業績はたくさんあるのだ【が】、私は…するのを頼まれなかったのだ」

 

と解釈できればバッチリですね!

 

yetは副詞のほかに接続詞の使い方がある!以下の記事を順番に見ていくとyetの奥深さが分かります

【参考記事】
「still、yet、alreadyの副詞の使い方は完璧か?この超危険な語法を徹底解説!」

「but、yet、and yet、although(though)の違いとは?「逆接」の接続詞を徹底的に使い分けてみよう!」

 

ちなみに接続詞と接続副詞の違いも超重要!以下の記事は月の閲覧数が5000を超える人気記事です。

「接続詞」と「接続副詞」って何が違うのか?これが重要ポイントだ!!

 

代名詞it とthemが指しているもの

最後に些細ですが代名詞itとthemについて触れておきましょう。

 

… , I(S) considered(V) it(O) an insult(C).
「私はitを侮辱だと思った」

 

considerはSVOCの第5文型を取れるというのはまず押さえておいて良い知識でしょう。

 

it = to write about being a physically-handicapped Asian American woman

 

「身体に障害を持つアジア系アメリカ女性であることについて書くこと(を頼まれたこと)」

 

themは「複数形」を受ける代名詞。したがってmy accomplishmentsを指していると分かります。

 

和訳例「身体に障害を持つアジア系アメリカ女性であることについて書くように頼まれたとき、私はそのことを侮辱だと思った。そもそも、私の行ってきたことはたくさんあるのだが、私はそれらを書くようには頼まれなかったのである」

 

課題文②

【問2】
It was there that tragedies and comedies, some of which still exist, were first performed by actors and not by priests, in special buildings or spaces which, though thought of as holy, were not temples.

[単語・表現]
tragedy 「悲劇」
priest「聖職者」

 

苦戦した方が多かった模様(;^ω^)。だがしかし!丁寧に攻めていけば活路は見えてくるものです。

 

It was there that…

It was there that tragedies and comedies,…

thereが副詞なのでこの文はIt was 副詞 that~となっています。It isとthatの間に「副詞」が入った場合、この形は「強調構文」になります。thereを強調しているんですね。

 

強調構文もなかなか奥が深い!もしこの単元について一度ガッツリ学習したい!と考えている方は、以下の「強調構文シリーズ」を順に読んでみてください。It is ~that…の使い方についてきっと開眼することでしょう。

【参考記事】
「この文は強調構文か仮主語構文か?it is ~thatの文の判別方法はこれだ!」

「仮(形式)主語と強調構文の違いと見分け方とは?Itを「それ」と訳さないための方法はコレだ①」

 

thereは「場所」を指す副詞ですので「そこ」とでも解釈しておくと良いでしょう(ちなみにこの英文を最後まで読んでもthereとはいったいどこなのかは分かりません(笑)

 

訳し方は2種類あり、前から訳すパターンと後ろから訳すパターンがあります。

 

【強調構文の訳し方】
前から:訳「まさにそこにおいて、…だ」
後ろから:訳「…なのはまさにそこだ」

 

tragedies and comedies, some of which still exist, were first performed by actors and not by priests,…

thatは接続詞なので、後ろには主語(S)と動詞(V)が続いていくのだな、と思いながら読み進めましょう。

 

途中に「,(カンマ)」で挟まれた箇所があるので「挿入」としていったん文章から取って考えます。すると

 

…that tragedies and comedies(S),~, were first performed(V) by actors and not by priests,

 

と主語(S)と動詞(V)がはっきりと見えてきますね!(^^)/

 

訳「悲劇と喜劇が、~、初めて聖職者ではなく俳優によって演じられた」

 

「挿入」を見たら、その処理方法を「確立」しておくのが極めて重要。その手順は以下の記事でどっぷり解説しています。ぜひ確認しておいてくださいね!

【参考記事】
「英語の「挿入」の英文解釈方法とは?4つの訳し方をマスターしよう!」

「英文の「挿入」の訳し方にはパターンがあったってマジ!?これで凌ぐ4つの方法!!」

 

挿入箇所はsome of which still existですが、whichは関係代名詞。先行詞はtragedies and comediesになります。

 

この挿入節のポイントはexistと「現在形」で書かれていることで、「過去に行われた「悲劇と喜劇」の一部は現在でもまだ残っている」と補足的に説明を入れているわけです。

したがって和訳例としては

訳「悲劇と喜劇が、そのいくつかは今でも存在するのだが、初めて聖職者ではなく俳優によって演じられた」

とすると良いでしょう。

 

,in special buildings or spaces…

今回の課題で、一番質問が多かったのがここです(笑)そもそもなぜこの箇所の前にカンマが必要なのか、いらなくない?といった意見(愚痴?)が多かったですな(;^ω^)

 

もちろん「必要」だからそこにカンマがあるわけですが。

ここまで解説をお聞きくださった読者のみなさんはこの文は全体として「強調構文」が使われているのを理解していただけたと思います。そして強調している箇所がthere(場所)ということもね。

 

…何が言いたいかお分かりでしょうか?

It was there that…の箇所が「強調構文」である以上、このthereは強調するためにIt is~thatによって【前に】引っ張られてきたわけですよね。

 

ということはこのthereには帰る場所がある、と。

 

じゃあ、戻してみましょう。場所を指す副詞(句)は文末に置くのが決まっています。

 

tragedies and comedies were first performed ~ 【there】, in special buildings or spaces…

 

あ!と思った方、そうです。もしかしてこのin special buildings or spaces「(演劇)専用の建物や場所」ってthereを【具体的に深く言い換えた】ものなのでは…?

 

ここでみなさんに次の例を見ていただきたいんです。


We are here in America.
「私たちはここアメリカにいる」

 

この文はhereとin Americaが完全に「同格」の関係です。つまりhere = in Americaなわけですね。

 

完全に「同格」なので、hereとin Americaの間には「カンマ(,)」がありません。必要ないんです。

ところが以下でしたらどうでしょうか。

 


We live there, in America.
「私たちはそこ、しかもアメリカに住んでいる」

 

このthereはin Americaと完全に「同格」ではないんだよ、という意味で間にカンマを入れています。

 

確かに両方とも「場所」を表しているかもしれませんが、例えばthereは「世界」を指しているかもしれませんよね?

 

We live in the world, in America.
「私たちは世界、しかもアメリカに住んでいる」

 

そう、この場合は「場所,場所」という形で前の場所をもっと細かく、「補足説明」をしているんですね。具体的言い換えといいますか。

 

完全にthere = in Americaではないのでカンマを入れているわけです。

 

今回の課題もそう、実はthereの具体的補足説明がin special buildings or spaces「(演劇)専用の建物や場所」なのだ、と気づけた人はお見事ですね!

 

したがってここは「そこ、しかも(演劇)専用の建物や場所でSがVした」と解釈すれがよいと分かります。

 

S+V+…【there】, 【in special buildings or spaces】…

 

…in ~ spaces which, though thought of as holy, were not temples.

この課題文が厄介なのは、このin special buildings or spacesに関係代名詞節which節がついていることですね。

しかもその節内にまたカンマで挟まれた箇所が…(笑)相変わらず「挿入」箇所を取って考えます。

…in ~ spaces ⇐ [which, ~ , were not temples]
それも神殿ではない(演劇)専用の建物や場所で」

 

最後に挿入の箇所を片付けます。thoughが接続詞であるにもかかわらず、主語(S)と動詞(be動詞)が省略されていますね。

 

though thought of as holy

though they(=special buildings or spaces) were thought of as holy
「(それらは)神聖な場としてみなされていたが」

 

think of A as B 「AをBとみなす」

A is thought of as B「AはBとみなされる」

 

動詞 A as Bの表現は和訳頻出!以下の記事で押さえておきましょう。

【参考記事】
「regard A as B はSVOC文型?asの後ろに形容詞がくる理由を徹底解説します!」

 

全訳「まさにそこにおいて悲劇と喜劇が、そのいくつかは今でも存在するのだが、初めて聖職者ではなく俳優によって演じられた。それも神聖な場とみなされていたが、神殿ではない(演劇)専用の建物や場所で演じられたのである」

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