テーマ別和訳演習講座①(省略)

テーマ別和訳演習講座

●こんにちは、まこちょです。お元気でしょうか。

この「テーマ別基礎和訳演習講座」は、国公立2次試験対策もしくは大学院の和訳問題対策をターゲットに基礎から丁寧に和訳演習ができることを目標に編集しています。

 

したがって英語学習者の力量によっては難しいと思うことも多々あるでしょうね。

 

ですが、スラスラと英文を多読するのも英語学習の一つの方法ですが、当メルマガのように1つ1つを丁寧に吟味して精読するのもまた英語学習です。

 

ぜひ、じっくりと構えてください。そうすれば英語と日本語の意外なつながりが見えてきて面白いですよ!

 

では本日の課題英文になります。まずは全く予備知識なく以下の英文を和訳してみましょう。もし分からなくても問題なし!「分からない」という答えを出してから解説を読んでみてくださいね

 

本日の課題英文

【課題英文】
When we cried, we were promptly fed; when frightened, we were consoled and protected; when sick, we were tended and healed.

[単語・表現]

  • promptly 「すぐに」
  • be fed「食べさせてもらえる」
  • console「慰める」
  • tend「看病する」
  • heal「直す」

 

では今回のテーマを発表します。とはいってもタイトルから今回は「省略」について解説するのはお分かりかと思うのですが、この「省略」、実は勘違いしている方が結構多いようですよ…

 

英語の「省略」はどんなときに起こるのか

英語の「省略」というのは、例えば「ここって書かなくても何となく分かるんじゃない?」といったノリで省略されることはありません。

 

そう、しっかりと法則にしたがって「省略」されるんです。その法則とは…?

 

【英語の省略のルール①】
⇒ 同じ形の「繰り返し」を避けるために省略される

 

これは裏を返せば、省略される箇所というのは英文中の他の箇所にもう表示してあるから、ということに他なりませんよね。

 

ここは非常に重要なポイントなのですが、英語の「省略」は「気分で」とか「書くのが面倒くさい」とかいった理由で省略されない、ということです。

 

ではこのことを踏まえて、具体的にどのような場所が省略されるのかを具体的に見てみましょう。

副詞節中の主語(S)+be動詞の省略

まず、極めて見かける機会が多いのがこのパターン。接続詞の後ろの主語(S)と動詞(V)が省略されるケースです。

そもそも従位接続詞は「接続詞+S+V」という形で使うのが通常なので、まずこの形が標準で頭の中に入っていないと、省略すら気づかないということになります。

 

接続詞の後ろの形を含む、基本的な使い方について具体的に知りたい方は以下の記事を確認してみましょう。

【参考記事】
「接続詞の後の文(S+V)の省略はちゃんとルールがあった!その方法を教えます」

「接続詞の後ろのS+Vの省略はどんな時に起こるのか?法則を徹底的に理解しよう」

【練習問題】接続詞の後ろのS+Vが省略されている形を実践問題で演習してみよう!」

 

例①

While walking on the street, I met an old friend of mine.

「通りを歩いていたら、古い友人の一人に出会った」

 

この英文はwhile「~の間・~していると」という接続詞が使われていますが、後ろの形を見てください。

 

主語(S)どころかwalkingなんていう、一見「?」がつく形が続いていますよね。

 

実は接続詞の後ろの主語(S)と動詞(be動詞)はよく省略されます。ただし省略されるには「条件」がありますので、しっかりと次の点を押さえておきましょう。

 

【従位接続詞の後ろの主語(S)+be動詞が省略されるとき】
①省略される主語(S)は主節の主語(S)と同じ
②be動詞の時制は主節の時制と同じ

したがってこの文は本来

 

While (I was) walking on the street, I met an old friend of mine.
「通りを歩いていたら、古い友人の一人に出会った」

 

だったのです。この調子で以下の例文も省略されている箇所を補ってみましょう。

 

例②
A bad habit once formed cannot easily be gotten rid of.
「いったん形作られると、悪習は簡単には取り除けない」

get rid of ~「~を取り除く」

 

一見難しそうに見えますが、onceが接続詞でonce S+V「いったんSがVすると」という使い方をすることが分かっていれば、once formedという使い方はおかしいと分かります。

 

A bad habit once (it is) formed cannot easily be gotten rid of.

 

itは代名詞でa bad habitを指していますよ。

 

こういった省略でよく「カン違い」しやすいのは、接続詞の後ろの主語(S)【だけ】を省略できると思い込んでしまうこと。

 

何度も言いますが「主語(S)と【be動詞】」が同時に省略されるんです。まちがっても片方だけ省略されることはないことは覚えておきましょう。

 

【従位接続詞の後ろの主語(S)+be動詞が省略されるとき②】
⇒ 主語【だけ】が省略されることはありえない

 

例③
He said to me, “Never speak until spoken to.”
「彼は私に『話しかけられるまでは決して話すな』と言った」

 

これは?何か一見難しそうですがuntilが接続詞にもかかわらず主語(S)とbe動詞が省略されていることに注目しましょう。

 

この英文は主節が「命令文」。命令文は主語(S)がありませんがそれは「You」が消えているからです。したがって

 

He said to me, “Never speak until (you are) spoken to.”

 

となっていることがつかめれば解釈も楽になるかと(^^)/

 

以上を踏まえて今回の課題英文の解説に行きます。なかなか面白い英文ですが、「省略」の構造が分からないとやはり何を言っているのか分からなくなるかもしれませんね。

 

本日の課題英文【解説】

【本日の課題英文】
When we cried, we were promptly fed; when frightened, we were consoled and protected; when sick, we were tended and healed.

[単語・表現]
promptly 「すぐに」
be fed「食べさせてもらえる」
console「慰める」
tend「看病する」
heal「直す」

 

【解説】

When we cried, we were promptly fed; when frightened, we were consoled and protected; when sick,… 

「;」(    )を使って英文を何回か繰り返していますが、「;」は【接続詞の何でも屋】で等位接続詞(and / but / or / so )などと同じ感覚で使うことが出来るんです。

 

ここではwhen S+V…, S+Vというパターンが何回か繰り返されていますので、リズム重視で「;」が使われているんですね。

英語の記号にメチャメチャ強くなりたい方は以下の記事を確認してみましょう。

 

【参考記事】
「ハイフン」「セミコロン」等、この記号はなんなのよ?を検討してみた!

「カンマ、コロン、セミコロンの使い方は深かった!リーディング力強化に必須です」

 

when frightened, we were consoled and protected…

whenが接続詞にもかかわらず後ろに主語(S)がないのが今回のテーマですね。もちろん「省略されているのです。主節の主語(S)はweなので

 

when (we were) frightened, we were consoled and protected

 

と補って解釈できれば完璧ですね!

訳「怖いときには慰めてもらえたし守ってもらえた」

 

同様に最後のwhen節以下も省略を補って考えてみましょう。

 

when (we were) sick, we were tended and healed.
「病気のときは看病してもらえたし、直してもらえた」

 

和訳例「泣けばすぐに食べさせてもらえたし、怖いときには慰めてもらえたし守ってもらえた。病気のときは看病してもらえたし、直してもらえた」

 

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次回の【課題英文】

今回の学習を踏まえたうえで、次回の課題英文を発表します。

 

今回は2題の課題を用意しましたが、両方とも若干ボリュームを増やしてみました。上手く全体の体裁が整うように訳してみてくださいね!

 

【課題英文】

【問1】
When asked to write about being a physically-handicapped Asian American woman, I considered it an insult. After all, my accomplishments are many, yet I was not asked to write about them.

[単語・表現]
physically-handicapped「身体に障害を持つ」
insult「侮辱」
accomplishment「業績」

 

 

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【問2】
It was there that tragedies and comedies, some of which still exist, were first performed by actors and not by priests, in special buildings or spaces which, though thought of as holy, were not temples.

[単語・表現]
tragedy 「悲劇」
priest「聖職者」

ちなみにこの問題は両方とも、某大学院入試の和訳問題なのですが、なかなか手ごたえのある問題だと思うのですね。

 

ぜひ果敢にチャレンジしてみてください!どんなに「何か変な和訳だなぁ~」と思っても構いません。

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いよいよ始動!「まこちょのテーマ別和訳演習講座【全40回】のお知らせ

さて、今回は「まこちょのテーマ別和訳演習講座」の第1回を公開したわけですがいかがでしたでしょうか。

 

この講座は英語学習者が和訳をする際に、非常につまづきやすいポイントを「省略」「共通構文」「itの文」「分詞構文」「関係詞」「比較」の計6つに絞り、徹底的に攻略していく講座になります。

 

この和訳講座は奇数回を解説回、そして偶数回を実践演習回と分けて展開していきます。まずはしっかりと解説回で理解していただき、そして実践回で思いっきり腕を振るっていただこうというわけです。

 

ぜひ全40回、徹底的に厳選された英文で正確に英文を「解釈」する、その妙技を味わってみてください。「和訳は総力戦」この言葉を合言葉にしっかりと学習していただければ幸いですね!

 

ランダム和訳演習講座とテーマ別和訳演習講座との違いとは?

なお、私の和訳講座はこの講座のほかに「ランダム和訳演習講座【全50回】」という講座もありますが、「一体違いは何?」と疑問に思った方にご説明します。

 

「まこちょの【ランダム】和訳演習講座」は単元別の区別なく、文字通りランダムに和訳問題の演習をします。

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したがって英語力に自信のある方が「実力試し」にトライしてみるには大変効果的な講座になっているわけです。ですが、それに反して和訳について初めて演習する方からは「難しすぎる」といった指摘もありました。

 

それに対して今回の「テーマ別和訳演習講座」は、各単元ごとにまず重要ポイントを「網羅」した上で実践問題に望んでもらいます。したがってしっかりとした土台を作った上で演習問題に望めるわけですね。

 

したがって和訳問題を基礎から体系的に学習したい場合は

 

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